コラム
外壁
外壁塗装の工程は?知っておきたい流れを紹介!
2023.03.12
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これから外壁塗装を初めて行う方のなかには、工程や工期がイメージできず悩んでいる方も多いでしょう。外壁塗装は単に塗料を塗るだけでなく、そのほかにもさまざまな工程があり日数もかかります。
そのため、あらかじめ工程や工期を知ったうえで、施工日を決めることが大切です。
そこで今回は、外壁塗装の主な工程や日数について解説します。また、外壁塗装中によくあるトラブルや、トラブルを避ける方法なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装にかかる日数は、30坪2階建ての大きさの住宅で7〜10日程度が一般的です。また、同規模の住宅で外壁塗装と屋根塗装を同時に施工する場合、10〜14日程度かかるでしょう。
なお、外壁塗装は住宅が大きくなると同時に、塗装面積や下地処理を行う面積が増えるため、工期が伸びる傾向にあります。たとえば、50坪以上の住宅の場合、2〜3週間程度の工期となるのが基本です。
なお、気象条件などで突然工期が伸びることも少なくありません。
「〇月までには外壁塗装を終わらせたい」
といった希望がある場合、余裕を持って工事日を設定するようにしましょう。
外壁塗装の施工期間の目安は30坪2階建ての大きさの住宅で7〜10日程度であり、基本的な工程はどこの業者に依頼しても同じです。
しかし、業者によって工期にやや差が生じることがあります。
【外壁塗装の工期が業者によって異なる理由】
・使用する塗料によって乾燥時間が変わるため
・作業員数が違うため
・手抜き工事が行われているため
以上のような理由が考えられます。
たとえば、「シリコン塗料」といってもさまざまな種類があり、製品によってメーカーが定めている乾燥時間が異なります。そのため、同じグレードの塗料で複数の業者に依頼しても、扱う塗料の乾燥時間の差から提示される工期に差が出るケースがあります。
さらに、業者によって現場に入る職人数に差が出ることがあり、工期に差が出ます。
なお、手抜き工事によって工期が短縮されている可能性がある点には注意が必要です。こう置きを短縮するために、下地処理の工程が省かれたり、塗料の乾燥時間を守らず次の工程に進んだりするような悪徳業者もあり、不自然に工期が短い場合は注意してください。
外壁塗装は、以下のとおり主に12工程あります。
では、一つひとつの工程を詳しく見ていきましょう。
外壁塗装の工事期間中は、足場を組んだり、工事車両が出入りしたりすることから、近隣住民の方のストレスになりがちです。また、塗料の臭いや騒音などでも迷惑をかけることがあるでしょう。
そのため、近隣への挨拶なしに外壁塗装工事を始めてしまうと、トラブルにつながりやすくなります。あらかじめ工事の日程や期間を説明し、理解を得ておくことで工事をスムーズに進めやすくなります。
なお、近隣挨拶は基本的に外壁塗装業者が実施してくれますが、できれば依頼者も一緒に挨拶に回るのがおすすめです。もしくは、外壁塗装業者とは別のタイミングで挨拶に回るのもよいでしょう。
近隣挨拶は工事日の1週間前を目安に実施するのがおすすめです。
そのため、工事日の初日は、足場の組み立てが必要です。
足場は鉄パイプを組み合わせてることから、「カンカン」という騒音がします。リモートワークをする、子どもがいるといった場合は、時間帯やどの程度の騒音がするのか確認し、外出するなど調整するようにしましょう。
外壁表面には劣化した塗料やホコリ、コケ、砂などさまざまな物が付着しています。汚れが残ったまま塗装をしてしまうと、ムラができて見た目が悪いだけでなく、塗料の密着度が下がって施工不良になりやすくなります。
外壁塗装の施工品質を上げるためにも、外壁塗装は重要な工程なのです。
なお、高圧洗浄は半日〜1日かけて行われますが、外壁全面が濡れてしまうため、24時間程度の乾燥時間が必要です。
そこで、塗料を付着させたくない部分や物をビニールなどで覆う養生という工程が行われます。
ただし、養生は単に塗料を付着させたくない箇所を覆うだけの工程ではありません。養生で塗料を塗るところと塗らないところをきれいにライン分けすることで、仕上がりの美しい塗装になるのです。
つまり、養生は塗料の付着を防止することと、外壁塗装の仕上がりを美しくするという二つの役割があるといえます。
高圧洗浄は表面的な汚れを落とせますが、ひび割れを埋めたり、錆びを根本から除去したりする効果はありません。しかし、劣化部分が残ったまま塗装工程を進めてしまうと施工不良になる可能性が高いため下地処理による補修が重要となります。
なお、外壁の劣化が激しいほど、必要な補修が多くなるため工期が長くなるケースがあります。
既存の外壁塗装が劣化していると、下塗り材が染み込みやすく、2回の塗布が必要になることがあります。
なお、塗装工程は十分に乾燥時間を確保する必要があるため、下塗りと中塗りを同じ日に行うといったことはできません。
下塗りの後に行う理由としては、下塗りが適切に行われていなければ、この後に行う中塗り・上塗りといった塗装工程で施工不良につながる可能性があるからです。
中間検査は、外壁塗装の品質を保つ、施工不良を発生させないためにも重要な作業となります。
中塗りと上塗りでは同じ塗料が用いられ、一度中塗りを行い塗料を十分に乾燥させてから、上塗りを行います。
なお、2回に分けて同じ塗料を塗るのは、「膜厚」を確保するためです。
膜厚とは、塗膜の厚みのことです。塗料メーカーは、製品ごとに適正な膜厚を定めており、指定した膜厚を確保しなければ塗料本来の機能が発揮されません。
しかし、膜厚を確保しようとして、一度に大量の塗料を塗ってしまうと、表面が乾燥して内部は固まらないという不具合が起きがちです。そのため、塗装工程を二度に分けて適量ずつ塗布することで、施工不良を起こさずに適切な膜厚を確保できるのです。
上塗りは塗装工程の最も外側になるため、とくに丁寧な作業が求められます。なお、上塗りで塗布した塗料も十分に乾燥させなければならないため、塗装完了後は乾燥時間の確保が必要です。
また、養生は上塗りが終わったら、塗料が乾燥するまでに剥がします。塗料が乾燥した後に養生を剥がすと、テープと一緒に塗膜が剥がれてしまうことがあるからです。
完了検査とは最終チェックのことであり、外壁塗装の仕上がりはもちろん、塗り残しや塗りムラはないか、施工不良が発生しそうなところはないかなどを入念にチェックする工程です。また、不要な箇所に塗料が飛び散っていないかといったことも確認します。
なお、完了検査は基本的に施主も立ち会います。業者にチェックを任せっきりにするのではなく、気になる箇所があれば積極的に質問して対応してもらいましょう。
完了検査が終わった後に施工不良を指摘しても対応してもらいにくくなるため、この時点で入念に確認しておくことをおすすめします。
足場を解体するときも、騒音が気になりやすいため注意が必要です。騒音がストレスになりやすい場合は外出するなどして対応しましょう。
無事に外壁塗装が終わったら、近隣の住宅に完了挨拶を行いましょう。
外壁塗装の工程をきちんと認識しないまま工事を依頼してしまうと、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。
ここでは、外壁塗装の工程を確認しなかった場合に起こりやすいトラブルを踏まえて、なぜ事前の工程を確認しておくべきか解説します。
そのため、きちんと工程を確認せず、挨拶もなしに工事を始めてしまうと、近隣住民からの苦情を受けやすくなります。外壁塗装が終わっても近所付き合いが続いていくため、トラブルにならないよう準備するためにも工程チェックが重要となります。
まず、工事が始まる1週間前を目安に挨拶を行い、その際、工事のスケジュールについても共有しておきましょう。きちんと了承を得たうえで工事をスタートできれば、トラブルになるリスクを大幅に軽減できます。
洗濯物が塗料で汚れてしまったり、臭いが付着したりするリスクをなくすためであり、普段外に洗濯物をしている方は対処法を検討する必要があります。
そのため、外壁塗装の工程を知らないままでは、突然、洗濯物が干せなくなって困るという事態になりがちです。あらかじめ、洗濯物をどうするか対処法を検討しておきましょう。
【外壁塗装期間中の主な洗濯の仕方】
・室内干しにする
・洗濯乾燥機を使う
・コインランドリーを利用する
以上のような対策が一般的です。
事前に工程を確認しないまま工事を進めてしまうと、立ち合いが必要なときに予定を入れてしまい、スムーズに工事が進まなくなる可能性があります。
工事期間中は、いつ留守にしてはいけないのか、打ち合わせの段階で確認しておきましょう。
外壁塗装にかかる日数は、30坪2階建ての大きさの住宅で7〜10日程度が一般的ですが、工程が変わって工期が伸びることも少なくありません。
ここでは、外壁塗装の工程が変わるケースを解説します。
外壁塗装ができる気候条件は以下のとおりです。
・晴れ・曇り
・気温5℃以上
・湿度85%未満
上の条件を満たしており、なおかつ強風が吹いていない、外壁面が結露していないといったことも条件となります。
気候条件を守らず、無理に施工すると不具合につながるリスクが高いため注意してください。
とくに、大きな災害が発生すると、材料の手配が困難になって数週間遅れることもあります。また、地震発生後、余震の影響を加味して一定期間工事が中止になることもあるでしょう。
外壁塗装は、思いがけないタイミングでトラブルになることも少なくありません。
ここでは、代表的な外壁塗装のトラブルを見ていきましょう。
基本的に、契約を交わしたとき以上のお金を払う必要はないため、対応に困ったら国民生活センターや弁護士に相談しましょう。
ただし、雨漏りが発生している箇所が見つかったなど、工事期間中に想定以上の劣化が見つかり、やむを得ず追加工事が必要となるケースがあります。
そこで、打ち合わせの段階で追加工事が発生する可能性があるのか確認しておくことと、実際に追加工事が必要になった場合は納得できるまで説明したもらったうえで、追加工事分の契約書を交わすようにしてください。
あいまいな説明で追加工事を行おうとする悪質な業者もあるため、見極めが重要です。
事前の挨拶はもちろん、どのような工程で進めるのか、いつ工事が終わるのかなど、必要な情報をきちんと共有したうえで工事を始めるようにしましょう。事前に外壁塗装工事について了承を得られていれば、トラブルになるリスクを大幅に軽減できます。
その際、まずは住民の方に謝罪を行い、業者に責任を持って対応してもらうようにしましょう。なお、外壁塗装業者は万が一に備えて損害保険に加入しています。
そのため、保証が必要になったら加入している損害保険から保証されるという流れになります。
外壁塗装はトラブルが起こりやすいですが、可能であれば何のトラブルもなく工事を終えられるのが理想です。
ここでは、外壁塗装中のトラブルを回避する方法を解説します。
「何の説明もなく工事が始まった」と認識されてしまうとクレームを受けやすいですが、事前に挨拶をしていれば「言っていた工事のことか」という認識になりクレームを受けにくくなります。
なお、挨拶のときは以下の内容を伝えるようにしましょう。
・作業日程
・土日も作業が行われるのか
・どのような作業を行うのか
・臭いや騒音について
・必要に応じて:敷地内に足場を組まないといけない場合は、了承いただけるか
・必要に応じて:住宅が隣接している場合は、車や外壁に養生してもよいか
そのため、臭いの発生しにくい水性塗料選ぶことで、臭いが原因となるトラブルを軽減できるでしょう。
ただし、水性塗料と油性塗料を比較すると、耐久性や費用面で差があります。一般的に、塗料の単価を比較すると油性塗料の方がやや高いものの、耐久性を加味すると油性塗料の方がコストパフォーマンスに優れているとされています。
とはいえ、最近では水性塗料でも油性塗料と同等の耐久性を持つものが増えているので、価格や耐久性、臭いなどのバランスを考えて塗料選びをすることが重要です。
たとえば、近隣住民の方への挨拶が適切なタイミングで実施できたり、洗濯物を干せない期間を把握できて対策ができたりします。
工程を把握しないまま工事が始まってしまうと、行き当たりばったりになってトラブルにつながりやすいため、工期と工程を入念にチェックしておきましょう。
今回は外壁塗装の主な工程や日数、よくあるトラブルなどを解説しました。
外壁塗装にかかる日数は、30坪2階建ての大きさの住宅で7〜10日程度が一般的であり、工事期間中にはさまざまな工程があります。事前にどのような工程で進んでいくのか、目安の工期を確認し、最適なタイミングで依頼するとよいでしょう。
ただ、外壁塗装は天候に左右される工事なので、予定よりも工期が長引く可能性もあるので、余裕をもって計画することをおすすめします。
ぜひ今回の記事を参考に、最適なタイミングで外壁塗装工事を実施してみてください。
そのため、あらかじめ工程や工期を知ったうえで、施工日を決めることが大切です。
そこで今回は、外壁塗装の主な工程や日数について解説します。また、外壁塗装中によくあるトラブルや、トラブルを避ける方法なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装はどれくらいの日数かかる?
外壁塗装にかかる日数は、30坪2階建ての大きさの住宅で7〜10日程度が一般的です。また、同規模の住宅で外壁塗装と屋根塗装を同時に施工する場合、10〜14日程度かかるでしょう。
なお、外壁塗装は住宅が大きくなると同時に、塗装面積や下地処理を行う面積が増えるため、工期が伸びる傾向にあります。たとえば、50坪以上の住宅の場合、2〜3週間程度の工期となるのが基本です。
なお、気象条件などで突然工期が伸びることも少なくありません。
「〇月までには外壁塗装を終わらせたい」
といった希望がある場合、余裕を持って工事日を設定するようにしましょう。
外壁塗装の工程はどの業者も同じ?
外壁塗装の施工期間の目安は30坪2階建ての大きさの住宅で7〜10日程度であり、基本的な工程はどこの業者に依頼しても同じです。
しかし、業者によって工期にやや差が生じることがあります。
【外壁塗装の工期が業者によって異なる理由】
・使用する塗料によって乾燥時間が変わるため
・作業員数が違うため
・手抜き工事が行われているため
以上のような理由が考えられます。
たとえば、「シリコン塗料」といってもさまざまな種類があり、製品によってメーカーが定めている乾燥時間が異なります。そのため、同じグレードの塗料で複数の業者に依頼しても、扱う塗料の乾燥時間の差から提示される工期に差が出るケースがあります。
さらに、業者によって現場に入る職人数に差が出ることがあり、工期に差が出ます。
なお、手抜き工事によって工期が短縮されている可能性がある点には注意が必要です。こう置きを短縮するために、下地処理の工程が省かれたり、塗料の乾燥時間を守らず次の工程に進んだりするような悪徳業者もあり、不自然に工期が短い場合は注意してください。
外壁塗装の具体的な工程
外壁塗装は、以下のとおり主に12工程あります。
工程 | 日程の目安 |
近隣挨拶 | 工事日の1週間前ごろ |
足場の組み立て | 1〜2日目 |
高圧洗浄 | 3日目 |
養生 | 4日目 |
下地処理 | 5日目 |
下塗り | 6日目 |
中間検査 | 7日目 |
中塗り | 8日目 |
上塗り | 9日目 |
完了検査 | 10日目 |
足場の解体・引き渡し | 11日目 |
完了挨拶 | 12日目 |
では、一つひとつの工程を詳しく見ていきましょう。
近隣挨拶
外壁塗装を行うことが決まったら、最初のステップとして近隣挨拶を行います。外壁塗装の工事期間中は、足場を組んだり、工事車両が出入りしたりすることから、近隣住民の方のストレスになりがちです。また、塗料の臭いや騒音などでも迷惑をかけることがあるでしょう。
そのため、近隣への挨拶なしに外壁塗装工事を始めてしまうと、トラブルにつながりやすくなります。あらかじめ工事の日程や期間を説明し、理解を得ておくことで工事をスムーズに進めやすくなります。
なお、近隣挨拶は基本的に外壁塗装業者が実施してくれますが、できれば依頼者も一緒に挨拶に回るのがおすすめです。もしくは、外壁塗装業者とは別のタイミングで挨拶に回るのもよいでしょう。
近隣挨拶は工事日の1週間前を目安に実施するのがおすすめです。
足場の組み立て
平屋であっても、外壁の上部で作業することは高所作業になるため、基本的にどの工事でも足場が必要となります。そのため、工事日の初日は、足場の組み立てが必要です。
足場は鉄パイプを組み合わせてることから、「カンカン」という騒音がします。リモートワークをする、子どもがいるといった場合は、時間帯やどの程度の騒音がするのか確認し、外出するなど調整するようにしましょう。
高圧洗浄
高圧洗浄とは、高圧洗浄機で外壁表面の汚れを落とす工程のことです。外壁表面には劣化した塗料やホコリ、コケ、砂などさまざまな物が付着しています。汚れが残ったまま塗装をしてしまうと、ムラができて見た目が悪いだけでなく、塗料の密着度が下がって施工不良になりやすくなります。
外壁塗装の施工品質を上げるためにも、外壁塗装は重要な工程なのです。
なお、高圧洗浄は半日〜1日かけて行われますが、外壁全面が濡れてしまうため、24時間程度の乾燥時間が必要です。
養生
外壁塗装の塗料は外壁材の表面に塗るものであり、周辺にはサッシや窓ガラス、エアコンの室外機、雨樋、換気扇など、塗料を付着させるべきではないものがたくさんあります。そこで、塗料を付着させたくない部分や物をビニールなどで覆う養生という工程が行われます。
ただし、養生は単に塗料を付着させたくない箇所を覆うだけの工程ではありません。養生で塗料を塗るところと塗らないところをきれいにライン分けすることで、仕上がりの美しい塗装になるのです。
つまり、養生は塗料の付着を防止することと、外壁塗装の仕上がりを美しくするという二つの役割があるといえます。
下地処理
養生が完成したら、次は下地処理を行います。下地処理とは、ひび割れや錆びなどの劣化を補修する工程のことです。高圧洗浄は表面的な汚れを落とせますが、ひび割れを埋めたり、錆びを根本から除去したりする効果はありません。しかし、劣化部分が残ったまま塗装工程を進めてしまうと施工不良になる可能性が高いため下地処理による補修が重要となります。
なお、外壁の劣化が激しいほど、必要な補修が多くなるため工期が長くなるケースがあります。
下塗り
外壁塗装では、基本的に3度の塗装工程があり、最初の塗装工程が下塗りです。ただし、下塗りでは色付きの塗料ではなく、「シーラー」「フィーラー」と呼ばれる専用の下塗り材を塗装範囲全体に塗ります。既存の外壁塗装が劣化していると、下塗り材が染み込みやすく、2回の塗布が必要になることがあります。
なお、塗装工程は十分に乾燥時間を確保する必要があるため、下塗りと中塗りを同じ日に行うといったことはできません。
中間検査
中間検査とは、通常下塗りの次の日に行われる工程であり、現場監督や施工管理者などの責任者がこれまでの工程に不備がないか確認することです。下塗りの後に行う理由としては、下塗りが適切に行われていなければ、この後に行う中塗り・上塗りといった塗装工程で施工不良につながる可能性があるからです。
中間検査は、外壁塗装の品質を保つ、施工不良を発生させないためにも重要な作業となります。
中塗り
中間検査が終わったら、いよいよ外壁に色を塗る塗装工程に入ります。中塗りと上塗りでは同じ塗料が用いられ、一度中塗りを行い塗料を十分に乾燥させてから、上塗りを行います。
なお、2回に分けて同じ塗料を塗るのは、「膜厚」を確保するためです。
膜厚とは、塗膜の厚みのことです。塗料メーカーは、製品ごとに適正な膜厚を定めており、指定した膜厚を確保しなければ塗料本来の機能が発揮されません。
しかし、膜厚を確保しようとして、一度に大量の塗料を塗ってしまうと、表面が乾燥して内部は固まらないという不具合が起きがちです。そのため、塗装工程を二度に分けて適量ずつ塗布することで、施工不良を起こさずに適切な膜厚を確保できるのです。
上塗り
中塗りで塗布した塗料が十分に乾燥したら、上塗りを行います。上塗りは塗装工程の最も外側になるため、とくに丁寧な作業が求められます。なお、上塗りで塗布した塗料も十分に乾燥させなければならないため、塗装完了後は乾燥時間の確保が必要です。
また、養生は上塗りが終わったら、塗料が乾燥するまでに剥がします。塗料が乾燥した後に養生を剥がすと、テープと一緒に塗膜が剥がれてしまうことがあるからです。
完了検査
すべての塗装工程が終わったら、完了検査を行います。完了検査とは最終チェックのことであり、外壁塗装の仕上がりはもちろん、塗り残しや塗りムラはないか、施工不良が発生しそうなところはないかなどを入念にチェックする工程です。また、不要な箇所に塗料が飛び散っていないかといったことも確認します。
なお、完了検査は基本的に施主も立ち会います。業者にチェックを任せっきりにするのではなく、気になる箇所があれば積極的に質問して対応してもらいましょう。
完了検査が終わった後に施工不良を指摘しても対応してもらいにくくなるため、この時点で入念に確認しておくことをおすすめします。
足場の解体・引渡し
完了検査後、足場が解体されます。足場を解体するときも、騒音が気になりやすいため注意が必要です。騒音がストレスになりやすい場合は外出するなどして対応しましょう。
完工挨拶
以上が基本の外壁塗装の流れとなります。無事に外壁塗装が終わったら、近隣の住宅に完了挨拶を行いましょう。
外壁塗装の工程を事前に確認しておいたほうがいい理由とは
外壁塗装の工程をきちんと認識しないまま工事を依頼してしまうと、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。
ここでは、外壁塗装の工程を確認しなかった場合に起こりやすいトラブルを踏まえて、なぜ事前の工程を確認しておくべきか解説します。
近隣住民とのトラブルを避けるため
外壁塗装は、工期が長いうえに、工事期間中は騒音や塗料の臭い、工事車両の出入りなど、近隣住民の方へストレスをかける要素がたくさんあります。そのため、きちんと工程を確認せず、挨拶もなしに工事を始めてしまうと、近隣住民からの苦情を受けやすくなります。外壁塗装が終わっても近所付き合いが続いていくため、トラブルにならないよう準備するためにも工程チェックが重要となります。
まず、工事が始まる1週間前を目安に挨拶を行い、その際、工事のスケジュールについても共有しておきましょう。きちんと了承を得たうえで工事をスタートできれば、トラブルになるリスクを大幅に軽減できます。
洗濯物などのスケジュールを検討するため
外壁塗装の施工期間中は、基本的に屋外に洗濯物を干せません。洗濯物が塗料で汚れてしまったり、臭いが付着したりするリスクをなくすためであり、普段外に洗濯物をしている方は対処法を検討する必要があります。
そのため、外壁塗装の工程を知らないままでは、突然、洗濯物が干せなくなって困るという事態になりがちです。あらかじめ、洗濯物をどうするか対処法を検討しておきましょう。
【外壁塗装期間中の主な洗濯の仕方】
・室内干しにする
・洗濯乾燥機を使う
・コインランドリーを利用する
以上のような対策が一般的です。
留守にできないタイミングを確認するため
外壁塗装の工程のなかには、完了検査など施主の立ち合いが必要な工程があります。事前に工程を確認しないまま工事を進めてしまうと、立ち合いが必要なときに予定を入れてしまい、スムーズに工事が進まなくなる可能性があります。
工事期間中は、いつ留守にしてはいけないのか、打ち合わせの段階で確認しておきましょう。
外壁塗装の工程が変わるケースとは?
外壁塗装にかかる日数は、30坪2階建ての大きさの住宅で7〜10日程度が一般的ですが、工程が変わって工期が伸びることも少なくありません。
ここでは、外壁塗装の工程が変わるケースを解説します。
天候不良
外壁塗装は塗装工程で塗料を十分に乾燥させることが必須であり、塗料が乾燥しにくい気温と湿度では作業を進められないことがあります。外壁塗装ができる気候条件は以下のとおりです。
・晴れ・曇り
・気温5℃以上
・湿度85%未満
上の条件を満たしており、なおかつ強風が吹いていない、外壁面が結露していないといったことも条件となります。
気候条件を守らず、無理に施工すると不具合につながるリスクが高いため注意してください。
地震などの災害
外壁塗装は、地震や台風などの災害で工事がストップしてしまうこともあります。とくに、大きな災害が発生すると、材料の手配が困難になって数週間遅れることもあります。また、地震発生後、余震の影響を加味して一定期間工事が中止になることもあるでしょう。
外壁塗装中によくあるトラブルとは?
外壁塗装は、思いがけないタイミングでトラブルになることも少なくありません。
ここでは、代表的な外壁塗装のトラブルを見ていきましょう。
追加の工事費用を請求された
悪質な業者のなかには、すでに契約して工事を進めているにもかかわらず、いざ工事が始まってから追加費用を請求してくるところがあります。
基本的に、契約を交わしたとき以上のお金を払う必要はないため、対応に困ったら国民生活センターや弁護士に相談しましょう。
ただし、雨漏りが発生している箇所が見つかったなど、工事期間中に想定以上の劣化が見つかり、やむを得ず追加工事が必要となるケースがあります。
そこで、打ち合わせの段階で追加工事が発生する可能性があるのか確認しておくことと、実際に追加工事が必要になった場合は納得できるまで説明したもらったうえで、追加工事分の契約書を交わすようにしてください。
あいまいな説明で追加工事を行おうとする悪質な業者もあるため、見極めが重要です。
近隣住民からのクレーム
先に解説しているとおり、外壁塗装は近隣住民によるクレームを受けがちです。事前の挨拶はもちろん、どのような工程で進めるのか、いつ工事が終わるのかなど、必要な情報をきちんと共有したうえで工事を始めるようにしましょう。事前に外壁塗装工事について了承を得られていれば、トラブルになるリスクを大幅に軽減できます。
塗料が近隣住宅に付着してしまった
外壁塗装では、業者のミスによって近隣の住宅やその周辺に塗料が付着してしまうことがあります。その際、まずは住民の方に謝罪を行い、業者に責任を持って対応してもらうようにしましょう。なお、外壁塗装業者は万が一に備えて損害保険に加入しています。
そのため、保証が必要になったら加入している損害保険から保証されるという流れになります。
外壁塗装中のトラブルを避ける方法はある?
外壁塗装はトラブルが起こりやすいですが、可能であれば何のトラブルもなく工事を終えられるのが理想です。
ここでは、外壁塗装中のトラブルを回避する方法を解説します。
着工前挨拶の徹底
外壁塗装は騒音や臭い、工事車両の出入りなどが近隣住民のストレスになりやすいため、着工前の挨拶を徹底することがポイントです。「何の説明もなく工事が始まった」と認識されてしまうとクレームを受けやすいですが、事前に挨拶をしていれば「言っていた工事のことか」という認識になりクレームを受けにくくなります。
なお、挨拶のときは以下の内容を伝えるようにしましょう。
・作業日程
・土日も作業が行われるのか
・どのような作業を行うのか
・臭いや騒音について
・必要に応じて:敷地内に足場を組まないといけない場合は、了承いただけるか
・必要に応じて:住宅が隣接している場合は、車や外壁に養生してもよいか
臭いが発生しにくい塗料を選択
外壁塗装の塗料にはさまざまな種類があり、なかでもシンナーが含まれる油性塗料は臭いがきつい傾向にあります。そのため、臭いの発生しにくい水性塗料選ぶことで、臭いが原因となるトラブルを軽減できるでしょう。
ただし、水性塗料と油性塗料を比較すると、耐久性や費用面で差があります。一般的に、塗料の単価を比較すると油性塗料の方がやや高いものの、耐久性を加味すると油性塗料の方がコストパフォーマンスに優れているとされています。
とはいえ、最近では水性塗料でも油性塗料と同等の耐久性を持つものが増えているので、価格や耐久性、臭いなどのバランスを考えて塗料選びをすることが重要です。
工程の事前確認
外壁塗装は事前に工程を確認しておくことで、トラブル回避につながります。たとえば、近隣住民の方への挨拶が適切なタイミングで実施できたり、洗濯物を干せない期間を把握できて対策ができたりします。
工程を把握しないまま工事が始まってしまうと、行き当たりばったりになってトラブルにつながりやすいため、工期と工程を入念にチェックしておきましょう。
まとめ
今回は外壁塗装の主な工程や日数、よくあるトラブルなどを解説しました。
外壁塗装にかかる日数は、30坪2階建ての大きさの住宅で7〜10日程度が一般的であり、工事期間中にはさまざまな工程があります。事前にどのような工程で進んでいくのか、目安の工期を確認し、最適なタイミングで依頼するとよいでしょう。
ただ、外壁塗装は天候に左右される工事なので、予定よりも工期が長引く可能性もあるので、余裕をもって計画することをおすすめします。
ぜひ今回の記事を参考に、最適なタイミングで外壁塗装工事を実施してみてください。
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